PCBはPoly Chlorinated Biphenyl(ポリ塩化ビフェニル)の略称で、人工的に作られた物質です。
PCB含有のおそれがある高圧コンデンサやトランス等の廃棄物は、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」により、PCB含有の有無を確認の上、2027年3月31日までに処理することが義務づけられています。
PCBの性質
水にきわめて溶けにくく、沸点が高い等の物理的な性質を有し、主に油状の物質です。また、熱で分解しにくく、不燃性で、電気絶縁性が高いなど化学的にも安定な性質を有しているため、用途としてさまざまな製品に使用されました。
PCBの用途(例)
使用 | 製品例・使用場所 | |
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絶縁油 | トランス用 | ビル・病院・鉄道車両・船舶等のトランス |
コンデンサ用 | 蛍光灯の安定器、直流用コンデンサ、蓄電用コンデンサ等 | |
潤滑剤 | 高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤 | |
可塑剤 | 絶縁用 | 電線の被覆、絶縁テープ |
難燃剤の使用 | ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂 | |
その他 | ニス、ワックス、アスファルトに混合 | |
感圧複写紙塗料・印刷インキ | ノンカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙 印刷インキ、難燃性塗料、耐食性塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料 |
PCBの毒性
皮膚や気化したものを口から吸引等により体の中に入り込み、脂肪に溶けやすい性質から体に蓄積します。PCBの中毒症状として、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹、爪の変形まぶたや関節の腫れなどが報告されています。
PCB廃棄物の分類
種 類 | 高濃度PCB廃棄物 | 低濃度のPCB廃棄物 | |
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トレースPCBの汚染廃電気機械など | 低濃度PCBには廃棄物が含まれています | ||
要約 | PCB油を絶縁油として 使用したもの | 非意図的にPCBが 混入したもの | PCB濃度5,000mg/kg以下の廃油等 (汚染由来に限定されない。) |
対象物 | 高圧コンデンサ、 高圧トランス、 安定器等 | 高圧トランス、 低圧トランス、 OFケーブル、リアクトル等 | ウエス、汚泥、廃油等 |
判別方法 | 機器の銘板記載内容や 製造年等により判別 | 基本的には分析による確認が必要 | |
処理 | JESCO (中間貯蔵・環境安全事業株式会社) | 環境大臣もしくは県に認められた無害化処理施設 |